1997-11-19 ArtNo.12857
◆<星>デベロッパー、不況時に大量の国有地を高額購入
【シンガポール】都市再開発局(URA)の統計によれば、政府が投機抑制措置を導入したにも関わらず不動産デベロッパーらは1997年3月期年度に、不動産市況がピークに達した前年を上回る国有地を買収、その額は46億Sドルと、前年の31億Sドルを50%近く上回った。
これらの土地の大部分は99年借地権付き宅地だが、入札時から実際に土地が引き渡されるまでには約5カ月の時差が存在することから、少なからぬデベロッパーが投機抑制後の市況低迷に対応できず、進退窮まっているようだ。
こうした窮状に直面するデベロッパーの1人には香港のタイクーン、リー・カーシン氏も含まれ、同氏は昨年1月にイースト・コーストのベイショー・コンドミニアム用地をシンガポールの宅地取引史上最高の6億8280万Sドルで落札した。シンガポール政府の国有地入札規則の下、入札時には入札価格の10%に相当する銀行保証を準備せねばならず、落札したなら3カ月以内に全額を完納せねばならない。
同氏の落札価格からすれば、コンドミニアムの採算ベース売り値は平方フィート当たり700~750Sドルだが、30%売れ残りがでれば、同額は900Sドル以上にアップする。しかし、今日の市況では大多数のシンガポーリアン・バイヤーは同価格を受け入れないものと見られると言う。(BT:11/18)
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