1997-11-19 ArtNo.12856
◆<星>GDP、第3四半期に10.1%の成長達成
【シンガポール】今年第3四半期のシンガポールの国内総生産(GDP)成長率は電子産業の復調でアナリストらの予想を遙かに上回る10.1%に達した。
通産省が17日発表したとことによれば、今年第3四半期には、電子産業の復調で製造業が9.5%の成長を遂げた他、証券市場とITサービスの好調な需要に支えられ、金融/ビジネス・サービス業も11.6%成長を記録、建設業と運輸通信業も13.4%と10.8%の二桁成長をマークした。また電子産業の復調に伴う中継貿易の好調や外国人旅行者の2.5%増加などで商業も8.6%の成長を見た。
こうした中で通産省は、今年の年間成長予測を当初の6~7%から7%前後に改めた。また来年も電子産業の引き続く回復により5~7%の成長が望めるとしている。
エコノミストらは、今年通年の成長率を7%とするなら、第4四半期の成長率は5.6%になるが、5.6%はかなり控え目な数字と評している。しかし来年の成長率に関しては、4.6~7%と、エコノミストの予測もまちまちになっている。
通産省のピーター・オン次官補によると、シンガポール経済は健全で、来年は電子産業の回復と建設部門に支えられる見通しだ。同省の調査によると、国内企業は景気の先行きに楽観的だが、金融サービスと商業部門にはアジア通貨危機の影響が顕在化しそうだ。通産省の成長見通しには、先行き不透明なアジア経済の現状も折り込み済みだが、アジア各国が採用する投資家の自信回復措置がどこまで成功するか、それがシンガポール経済とSドルにどれだけ影響を及ぼすかを判定するのは難しいと言う。(ST,BT,LZ:11/18)
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