1997-11-18 ArtNo.12855
◆<印度>コスト高でクロル・アルカリ産業競争力低下
【ニューデリー】インドの3600クローのクロル・アルカリ産業はコスト高から、米国、サウジ・アラビア、中国からの輸入品との競争で守勢に立たされている。
タタ・エコノミック・コンサルタンシー・サービシズの最新報告書によれば、1996/97年度の苛性ソーダの国際価格は1991/92年度に比べ60%下降、また同期間には苛性ソーダの輸入関税も60%引き下げられた。このため苛性ソーダ(主産品)と塩素(副産品)を製造している国内クロル・アルカリ業界は深刻な打撃を受けている。
苛性ソーダの輸出市場では、国際的な供給過剰から熾烈な値下げ競争が展開されている。原料の塩素の国際価格が値上がりした際には国際プレーヤーは、コスト以下の価格で販売を強いられ、塩素が供給過剰で値下がりした場合に限り利益の実現が可能と言った状況が続いている。
インドのクロル・アルカリ産業の低い競争力は、他国に比べ高い資金コスト/金利/電力料/原料コスト/間接費に伴うもので、決してインドの国内産業が諸外国の競争者よりも経営効率が劣っている訳ではない。こうしたことから報告書はキャプティブ発電所の建設、キャプティブ発電所に対する減税、苛性ソーダ輸出に対する優遇措置の苛性ソーダの疑似輸出への適応等を提案している。(IE:11/17)
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