SEAnews 1997-11-15 ArtNo.12811

【シンガポール】都市再開発局(URA)は13日、向こう数十年に及ぶ新ダウタウン開発の口火を切るシンガポールの中央市街地におけるものとしては過去最大の開発入札を募集した。
金融街シェントン・ウェーに面した当該地は12万1789平方フィートの商業／住宅／ホテル開発用地と、2万9870平方フィートの付属地から成り、前者には床面積158万平方フィート、56階建てビルと1万1625平方フィートの地下ショッピング街が建設される。地下ショッピング街はトンネルでラッフルズ・プレース地下鉄(MRT)駅にリンクされる。また付属地には露店等を備えた遊歩道が設けられる。
入札者に積み立てが義務づけらた1億2000万Ｓドルの供託金もこれまで最高で、同供託金から逆算した土地コストは12億Ｓドル、平方フィート当たり760Ｓドル(開発可能床面積を基準)となる。不動産コンサルタント、ジョンズ・ラング・ウートン(JLW)社幹部は落札価格を10億5000万～14億Ｓドル、建設コストを5億Ｓドルと予想するが、もしその通りならシンガポールで最も高価なビルディングが誕生することになる。
ＵＲＡは、シンガポールの3つの中心街、ラフルズ・プレース、シェントン・ウェー、マリーナ・スクエアに接した同地は、公共交通も完備しており、今日の不動産市況の低迷もさして問題にならないと強気だ。しかし地元紙のインタビューを受けた地元デベロッパーは、サイズと開発の複雑さから時間をかけて研究する必要があると慎重なコメントを行っている。地下ショッピング街の建設は開発コストの主要部分を占めることになるため、こうした点も詳細に研究する必要があるという。
入札の締め切りは来年4月2日。ＵＲＡはコストの見積もりやパートナー探しの時間的ゆとりも配慮し、通常3～4カ月の準備期間を5カ月に延長したとしている。(ST,BT,LZ:11/14)