1997-11-10 ArtNo.12734
◆<星>第3四半期の民間住宅価格、2年前のレベル下降
【シンガポール】シンガポールの民間住宅価格は今年第3四半期に、昨年5月に不動産投機抑制措置が導入されて以来最大の前期比4.4%下降、またピークに達した昨年第2四半期に比べ12.8%ダウン、終に2年前の水準に後退した。
都市再開発局(URA)の最新不動産価格指数によれば、ほとんど全てのカテゴリーの民間不動産が前四半期に比べ値下がり、オフィスは3.1%、工場スペースは5.8%、倉庫は2%、それぞれ下降した。
テラス・ハウスは昨年第2四半期と今年第3四半期の間に-16.1%と、最大の値下がりを記録したが、コリアーズ・ジャーディンのアナリストは、これは恐らくテラス・ハウスが99年借地権土地付き住宅の最大部分を占めているためと指摘した。アパートは15.4%、コンドミニアムは12%、ディタッチ(一戸建て)は11.2%、セミディタッチは9.7%、それぞれ値下がりした。
ジョーンズ・ラング・ウートン(JLW)のアナリストによれば、第3四半期の民間住宅の4.4%の値下がりは、予想された枠内のもので、民間住宅指数は来年も四半期ベースで僅かな下降が見込まれ、最終的に1994年末のレベルに達する。したがって今年第3四半期のレベルから更に5.4%の落ち込みが見込まれると言う。
しかし他のアナリストらはそれほど楽観的でなく、某証券会社のアナリストは向こう12-15カ月間にさらに15%の値下がりを予想した。
コリヤーズ・ジャーディン幹部は市場はまだ1985-86年のリセッション当時ほど落ち込んでいない、当時は四半期ベースで6%の値下がりが生じたと指摘、市場がそこまで落ち込むか否かは向こう数ヶ月間に国内経済がどのような軌跡を辿るかにかかっている語った。
某不動産コンサルタントも「現状で政府が不動産市況浮揚策を採ったにしても、さしたる効果は期待できない。人々は今やより一層経済環境に注目している」とコメントした。しかしながら問題解決の方法は単純で、政府が1年乃至2年土地供給をストップし、民間住宅の過剰が消化されれば、市況は改善すると言う。
アナリストの1人は、いずれにしても今回の政府発表の統計数字はデベロッパーを一層慎重にされる見通しで、事業の拡張よりは手持ちプロジェクトの消化に専心するものと見られるとコメントした。民間住宅の予告記載に基づく第3四半期の民間住宅取引件数は1796件と、第2四半期の2304件から既に22%減少している。(ST,BT,LZ:11/8)
|