1997-11-08 ArtNo.12719
◆<星>住宅開発局宅地入札価格、94年レベルに後退
【シンガポール】住宅開発局(HDB)が9月に入札を募集した99年借地権付き宅地の一番札は終に1994年レベルに後退、アナリストらも唖然としている。
コリアーズ・ジャーディンのアナリストは低い入札価格は売り出し価格も現在の市場価格を25~30%下回る可能性を暗示しており、市場情緒を一層冷却化させると指摘、INGベアリングの調査主任はコンドミニアム価格が今後さらに15~20%下降する可能性を予想した。
入札にかけられた3区画(クインズタウン1区画/イーシュン2区画)の中でも、クインズタウンの23万5778平方フィートは地下鉄(MRT)駅に隣接、プロット・レシオ(敷地に対する建設可能な床面積の比率)も4倍と過去最高だったことからアナリストらは平方フィート当たり(建設可能最大床面積を基準、以下同様)300~380Sドルの値が付くものと予想していたが、クオク・グループ傘下のオール・グリーン・プロパティーズとHoe Seng Coの合同チームは予想価格を21-38%下回る236Sドルの一番札を入れた。
これは不動産王の異名をとるン・テンフォン氏のファー・イースト・オーガニゼーションが1月にレッド・ヒルMRT駅に隣接した宅地を落札した際の平方フィート当たり471Sドルの2分の1に過ぎない。同価格からすれば、採算ラインのコンドミニアム売り出し価格は平方フィート当たり600Sドルと見積もられ、これは同地周辺の時価、平方フィート当たり850Sドルを30%下回る。
他方、イーシュンの2区画はその立地条件の悪さから平方フィート当たり160~190Sドルの値が付くものと予想されていたが、センター・ポイント・プロパティーズは両区画に共に155Sドルの一番札を入れ、これも予想を下回った。同価格からすればコンドミニアムの採算ライン売出価格は400Sドルで、仮に450Sドルにしても、隣接するオーキッド・パーク・コンドの平方フィート当たり600Sドルを25%下回る。
一方、同時に売り出されたジュロン・ウェストの商用地1区画(4万4494平方フィート/プロット・レシオ2.8倍)はブーンレイMRT駅に近いものの、最大開発可能床面積が12万平方フィートに過ぎないことから、デベロッパーらの関心は薄いものと予想されていた。
しかし、ガスリーGTSとリー・キム・ターの合同チームは2番札を43%上回る平方フィート当たり452Sドルをオファーした。同合弁チームは隣接するジュロン・ポイント・モールを所有しているが、同チームが1993年にこの隣接地を落札した際の価格の3倍に相当する。同モールを経営するジュロン・ポイント・リアルティーのスポークスマンは、高額入札したのは同地区における支配的なプレゼンスを確立するのが目的で、落札できれば既存モールの拡張に当てると語った。(ST,BT,LZ:11/7)
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