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1997-11-01 ArtNo.12629
◆<星>域内通貨危機は警戒不要:首相
【コペンハーゲン】ゴー・チョクトン首相は30日、アジアの通貨危機や株式市場の波乱は警戒に当たらず、むしろ実質的な経済動向に注目すべきだとの見解を明らかにした。
デンマーク訪問の最終日、地元記者や随行記者から、通貨/証券市場の波乱に関して意見を求められたゴー首相によると、最近の通貨/証券市場の波乱は市場情緒に影響を及ぼし、ある種の不安要因を高めたが、勤勉な国民、高い貯蓄率、政治的安定、投資等、域内経済の本質は変わっていない。
東南アジア通貨は最大40%、欧州通貨は最大15%軟化したが、為替相場の変動は米国経済の回復に伴う米ドルの強化によるもので、こうした点を冷静に観察しさえすれば、さして警戒する必要はない。アジア通貨の受けたショックは鎮静しつつあり、数週間乃至は数ヶ月後には安定し、ハッキリした見通しが立つものと見られる。アジア通貨の相場は多少下降するが、国民生活はこれまで通り続けられる。
通貨危機が域内経済に与えた影響もさして大きくない。経済成長は多少鈍化しても警戒するには当たらない。タイ経済の成長は多少低迷が予想されるが、インドネシアとマレーシアの成長力は依然旺盛で、シンガポールも輸出競争力を維持できる。
タイはあまりに多くの外国資金を借り入れ、住宅開発に注入したため、問題に直面した。タイ・バーツと米ドルの借入金利には6~8%の差が有り、市場筋がバーツの過剰評価に付け入る隙を与えた。過剰評価が存在すれば、鞘を取るのがマーケットであり、ジョージ・サロース氏もこうした市場の一部に過ぎないと言う。(ST,BT,LZ:10/31)
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