1997-10-31 ArtNo.12614
◆<星>US$100億インドネシア援助は条件付き:首相
【コペンハーゲン/ジャカルタ】シンガポールのゴー・チョクトン首相は29日、インドネシアの通貨危機に対するシンガポールの資金援助が国際通貨基金(IMF)の支援パッケージを条件に提供されることを改めて確認した。
デンマークを訪問中のゴー首相がマスコミの質問に答えたところによると、シンガポールの支援は当然ながら、インドネシアの同意も得たIMFの強力な支援パッケージの存在が前提になる。さもなければ、50億米ドルや100億米ドルの援助は決して十分とは言えない。インドネシアとIMFは、インドネシアの経済運営に関して何らかの合意に達するべきである。
シンガポールの資金援助の額と条件は目下検討中で、その内容は追って発表される。シンガポールはインドネシアに一定の条件の下に提供され得るクレジットの限度額として50億米ドルを提示、一層の支援が求められれば、応じる用意のあることも伝えた。詳細は両国の大蔵省により詰められており、両国の代表は一両日中に会合する。その時点で計画の全貌も明らかにできるはずと言う。
エコノミストらはインドネシアがシンガポールから100億米ドルの援助約束を得たのを機により多くの国に二国間援助を求めるものと予想している。また別のアナリストはスハルト大統領が、この種の二国間援助をIMFとの交渉の道具に利用しているのではないかと憶測している。
スハルト大統領は29日には電話で橋本首相と対話するとともにインドネシアを訪問中のオーストラリアのホワード首相とも関係問題を協議したとされる。
某アナリストはインドネシアがその内政に弄したのと同じ手段をIMFとの交渉にも用いるのは極めて危険で、市場の反応は予測できないと指摘した。(ST,BT,LZ:10/30)
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