1997-10-24 ArtNo.12542
◆<星>証券会社、来年の経済成長見通しを僅か2%に下方修正
【シンガポール】シンガポール拠点のスイス/英系投資銀行SBCワーバーグは、シンガポールの来年の国内総生産(GDP)予想成長率を当初の6%から2%に下方修正した。
SBCワーバーグはまた成長が迅速に回復するとは見ておらず、1999年の成長率も3.5%と予想、今年の成長率については6.2%と見ている。
同社はシンガポールに限らず、他のASEAN諸国の成長見通しも下方修正しており、マレーシアについては今年7.8%/来年1.5%/再来年3.5%、タイは1.0%/-1.0%/2.0%、インドネシアは6.0%/3.0%/4.0%、フィリピンは4.8%/2.0%/3.0%となっている。香港方面の消息筋によると、SBCワーバーグはASEANがリセッションに見舞われる確率をこれまでの50%から75%に引き上げたと言う。
しかしながらMMSインターナショナルのエコノミストは、シンガポールのGDP成長率が2%に下降すると言うことは、外需の急減、国際金融市場の崩壊、G7のリセッション、如何なる経済刺激要因も存在しないことが前提になるが、この内1つの条件も発生する可能性は薄いと指摘した。また野村シンガポールのアナリストは、電子市況の軟化だけで昨年第3四半期のGDP成長率が3.3%に下降した前例はあるものの、2%まで落ち込むとは考え難いと語った。同アナリストによれば、SBCワーバーグの予測には、少なくとも域内経済に対する悲観主義の拡大が反映されていると言う。(BT,ST,LZ:10/23)
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