SEAnews 1997-10-23 ArtNo.12528

【シンガポール】ＤＢＳランド(DBSL)とファー・イースト・オーガニゼーション(FEO)が、21日から延べ払い方式によるCasafinaコンドミニアムの販促を開始したことから、他の住宅デベロッパーらは、バイヤーの反応に注目している。
ＤＢＳＬとＦＯＢは共同開発する同コンドミニアムを、これ以前に香港で延べ払い方式により売り出したが、シンガポールでは建築工事の進捗に伴う分割払いの原則に反するため、同原則の適応免除を申請するよう当局から指示されていた。ＤＢＳＬは、この日、コントローラー・オブ・ハウジングから書面による関係認可を取得したと発表した。
観測筋は資金力の有る開発業者は、公共住宅からのアップグレード・バイヤーをターゲットにする99年借地権付きコンドミニアム・プロジェクト等にこの種の方式を採用するものと見ている。また香港や英国、オーストラリアでは延べ払い方式が一般的なことから、外国人バイヤーにも歓迎されるものと見られる。
しかし住宅ローンの方式も同時に変更する必要があり、如何なるローン・パッケージが準備されるかによってもバイヤーの反応は異なるものと見られる。
同方式が普及するなら、住宅購入ローンの需要は当然減少するが、逆にデベロッパーの融資需要が見込めるため、銀行界のビジネス全体にはそれほど大きな変化はない見通しだ。しかしながらデベロッパーへの融資は地元金融業者が独占する可能性があり、外資系銀行は打撃を受けそうだ。しかしその影響の大きさは住宅バイヤーの反応次第と言う。(ST,BT,LZ:10/22,SEAnews10/22号参照)