SEAnews 1997-10-23 ArtNo.12524

【ジャカルタ】ゴー・チョクトン首相は21日、スハルト大統領と会談、インドネシアの経済危機打開にシンガポールが支援を提供することを約束した。
両首脳の会談後、両国政府がそれぞれ発表した声明によれば、シンガポールはインドネシア経済に対する投資家の自信回復を図る国際通貨基金(IMF)の努力を補完することを約束した。両首脳はそれぞれ関係閣僚に以上の合意事項を具体化する方策の立案を指示した。
詳細は明らかにされていないが、ムルディオノ官房長官が地元記者団に説明したところによれば、シンガポールの援助はインドネシアの外貨準備を補強し、ルピアの強化を図るもので、援助の方式は現金と理解される。また額に関してはインドネシア経済の自信を回復するのに十分なものである必要がある。シンガポールの援助はＩＭＦのパッケージとは別のもので、地域協力の精神に基づく2国間援助と判断されると言う。
消息筋によると、同構想は通貨危機が発生した直後にハルタルト生産流通担当調整相からゴー首相に伝達された。インドネシア政府は、ルピア支持のために15億米ドル以上の準備金を費消した後、シンガポールや日本から直接援助を取り入れる方針を決めたが、結局2国間援助では不十分と判断、2週間前にＩＭＦに救援を求めたと言う。
ゴー首相は、スハルト大統領に対して、シンガポールはインドネシア経済の基盤が依然強固と判定した世界銀行の見通しや通貨危機発生以来インドネシア政府が採用した市場原理に基づく対策の有効性を信頼しており、ルピアと投資家の自信回復が先決と考える立場を表明したと言う。(ST,BT,LZ:10/22)