1997-10-21 ArtNo.12492
◆<星>スルヤジャヤ一族、VDH/L&Mの支配権買収へ
【シンガポール】インドネシアのカー・ジャイアンツ、アストラ・グループの創設者として知られるスルヤジャヤ・ファミリーがシンガポールの上場会社2社、ヴァン・デル・ホルスト(VDH)とL&Mグループ・インベストメントの支配権益掌握を図っている。
ベアリング・ブラザーズがスルヤジャヤ一族に代わり19日発表したところによれば、同一族はインドネシアの電気通信事業をVDHに注入、VDHは同社のヨハネス・コチョ会長のL&M全権益を買収する。同取引は依然としてシンガポール証取(SES)やVDH株主の承認を含む様々な条件をクリアーする必要が有るが、全て順調に運べばスルヤジャヤ一族はVDHとL&Mの残余株式の公開買い付けを提案することになる。
同アレンジの下、VDHはPTアルティマス・クンチャナ・ムルニの90%のシェアを買収する。後者は西ジャワにおける7億1600万米ドルの基本電話サービス・ビジネスを手がけるPTアリア・ウェスト・インターナショナルの52.5%のシェアを握っている。後者の他の株主は米国のUSウェストとエーシアン・インフラストラクチャー・ファンド。取引価格は目下交渉中だが、純有形資産がベースにされるものと見られる。スルヤジャヤ一族は10%はキャッシュで、残りはVDHの新株で支払われる。
VDHは同時にコチョ氏が所有するL&Mの5042万株(32.8%)を、自社新株2123万株とのスワップにより取得する。買収価格は4215万Sドル、1株83.6セントで、9月24日の終値88セントを5セント下回っている。
スルヤジャヤ・ファミリーは1992年に同一族が所有するバンク・スンマの負債返済のため、アストラの権益を売却したが、最近は再建中のファミリー・ビジネスの上場ビークルを物色していた。スルヤジャヤ一族はVDHをインドネシアや域内のインフラ市場開拓の機関車にする計画と見られ、またインフラ/特殊建設工事の専門会社L&Mは、同グループのこの方面の外部依存を軽減できると言う。(ST,BT,LZ:10/20)
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