1997-10-18 ArtNo.12461
◆<星>コズウェー渋滞で電子市況の回復に一層の遅れも
【シンガポール】ジョホール・バルの通関が輸出入検査を厳重にしたことに伴う、シンガポールとマレーシアを結ぶコーズウェーの渋滞で、ヒューレット・パッカードやJVC等の多国籍企業からUracoやベンチャー・マニュファクチュアリング等の地元契約製造業者まで影響を被っており、アナリストらは、渋滞が長引けば、電子産業の輸出と生産水準を下降させ、シンガポールの競争力も短期的に下降するものと見ている。
シンガポールの少なからぬ工場は半島マレーシア南部で生産された部品を加工し、最終製品を再びマレーシアで完成品に仕上げている。アナリストらによれば、コーズウェーの渋滞は、域内の通貨不安、ヘイズ、ディスク・ドライブ市況の軟化に続く悪材料で、シンガポールの電子市況の回復を一層遅らせる可能性がある。
こうした事態がクリスマス前の最も繁忙する時期に発生したことも、状況を一層深刻にしている。一部の工場は部品在庫を拡大したり、発送の時期を早めて急場をしのいでいるが、マレーシアは国内港湾の利用を奨励する措置を新年度予算に盛り込む可能性が有り、ソニーの幹部は新年度予算案を見た上で長期的対策を検討すると語った。(BT:10/17)
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