SEAnews 1997-10-17 ArtNo.12446

【シンガポール】シンガポール政府は、9月19日付けの公報で、アーサー・アンデルセンを公共事業局(PWD)法人化のコンサルタントに指名したと発表したが、観測筋はＰＷＤが法人化されれば、海外市場でインフラ開発コンサルタント契約を国際プレーヤーと争うことも可能なハイクオリーティーの技術を備えた専門組織が、解き放たれることになると注目している。
ＰＷＤは、ＢＴ紙のインタビューに対して、法人化の目的は、顧客のニーズに応じそのサービスをより効率的に、また効果的に提供、急速に変化する競争環境に迅速に対応することにあるとしている。
ＰＷＤは法人化後の計画の詳細を明らかにすることを避けているが、観測筋はシンガポールが世界に誇るチャンギ空港等、ＰＷＤのトラック・レコードを見れば、同局の実力は明らかで、地元企業は海外インフラ市場の開拓等の面でＰＷＤと手を組むことができると指摘する。またこれまでＰＷＤが独占してきた公共事業に民間企業が参加する機会も生じる。しかしその反面、民間企業の伝統市場にＰＷＤが進出するなら、地元業界は大きな脅威に晒されることになる。
ＰＷＤの業務はエンジニアリング／アーキテクチュアル・コンサルタンシーとビルディング・コントロールに大別でき、これらの部門が分離独立する可能性もあると言う。(BT:10/16)