SEAnews 1997-10-16 ArtNo.12430

【香港】ゴー・チョクトン首相は14日当地で催された東アジア経済サミットの席上、最近東南アジア諸国が見舞われた通貨危機に懲りて金融市場の開放努力を放棄することは、時代に逆行するものであり、東アジア諸国は引き続き金融市場の開放に努め、その経済成長を維持すべきであると呼びかけた。
首相によると、東南アジア諸国の貯蓄率は高いとは言え、インフラ開発等の面では依然として膨大な外資の導入を必要としている。世界銀行は、インフラ開発だけで東アジアは1995－2000年の間に1兆5000億米ドルを必要とするが、東南アジアの一部諸国の債券／株式市場の発展は十分でないと指摘していると言う。ゴー首相は、現在問題なのは、金融市場を開放するか否かではなく、如何なる速度で、どのように開放すべきかであると強調した。
一方、米国連邦準備制度理事会のアラン・グリーンスパン議長はこの日ワシントンで、東南アジア諸国の最近の通貨危機の主要な責任はその政府が負うべきであり、また国際間の資金の移動を制限しようとする如何なる試みも予想外の災害をもたらすだろうと警鐘した。
グリーンスパン議長はマレーシアのマハティール首相が通貨危機の咎を米国の金融事業家ジョージ・サロース氏に帰したことを評撃、東南アジア諸国政府の拙劣な投資政策、不健全な金融政策、取り分け不動産投機活動に対する融資政策が通貨危機の主因であると指摘した。(ST,BT,LZ:10/15)