1997-10-15 ArtNo.12418
◆<星>コチョ氏、VDH/L&Mの残余権益も売却
【シンガポール】インドネシア出身のビジネスマン、ヨハネス・コチョ氏は同氏が所有する残された上場企業2社、L&Mとバン・デル・ホルスト(VDH)の権益も売却し、シンガポールのビジネス・シーンから完全に退場することになりそうだ。
L&MとVDHは13日、別個に、両社の主要株主が匿名のサード・パーティーと株式の取引交渉を進めていると発表した。コチョ氏とそのパートナーは現在L&Mの35.2%の権益を有するが、同氏はこれを完全に売却する考えのようだ。しかしVDHに関しては、株式スワップを通じインドネシアの電気通信事業会社と域内の土木/建設会社の買収を図っているもようで、同交渉が妥結すれば、VDHの株式資本は大幅に拡大、既に12.3%に縮小、同社の有効支配が困難になっているコチョ氏の持ち分は一層希薄化することになる。
コチョ氏は今年に入って以来、ユナイテッッド・パルプ&ペーパー、アジアマトリクス、ABRホールディングズの権益を手放しており、もしVDHの支配権益も喪失するなら、コチョ氏のシンガポール企業界における活動にも幕が引かれることになる。
しかし、コチョ氏は1993年にシンガポールの企業舞台に登場して以来、赤字経営の海事会社VDHを、好収益を上げる発電事業会社に転換、精力の多くを同社に傾注してきたことから、同氏が同盟者を糾合し、態勢の挽回を図る可能性を予想する向きも有る。(ST,BT,LZ:10/14)
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