1997-10-10 ArtNo.12359
◆<馬>首相、通貨専門の取引所の開設提案
【クアラルンプル】マハティール首相は8日、株式や商品取引同様、通貨取引も特定の取引所で行うことを提案した。
マハティール首相が国会ロビーでマスコミに語ったところによれば、マレーシアは世界銀行と国際通貨基金(IMF)の支持の下に通貨投機に反撃するキャンペーンを展開している。マレーシアが提案する制度の下、通貨取引は登録制となり、資金の出所、クレジットを提供した金融機関等の情報は公開される。現状は、取り引きしている当人も一体誰と取り引きしているのか皆目分からない、正にヒラン・ルサ・マチャム・ハントゥ(神出鬼没)で、某通貨ブローカーはMBT紙に「我々は極秘裏に活動しているため、誰にも尻尾を捕まれない」と得々と語っている。しかしどんな極秘のビジネスを彼らは行っているのか。ジョージ・サロスは「自分はオープン・ソサイアティーのために戦っている」と言うが、その一方でこの種の闇取引を手がけている。
通貨投機家の攻撃の標的にされた少なからぬ国がマレーシアの行動を支持しているだけでなく、世界銀行とIMFもマレーシアの呼びかけに応え、通貨取引の透明度を高め、有効に管理する制度の立案をマレーシアに要請した。アンワル副首相兼蔵相が同プロジェクトの指揮を執ると言う。
しかし市場筋は、マハティール首相の提案に懐疑的で、米系銀行のディーラーは、「1銀行当たり100人にのぼる取引員を全て取引所に派遣することは不可能で、また数人のスタッフを取引所に配置し、他のスタッフがオフィスから電話で指示を発したのでは、数秒を争う取引の機を掴むことはできない」と指摘。
中国銀行スタッフは「シンガポール国際金融取引所(SIMEX)のような取引所を世界の主要都市に設ける費用は莫大な額にのぼり、金融業界がそのような負担に応じるとは考えられない」と語った。
またトレーダーの1人は少なくともマレーシアの新年度予算案に通貨取引に関する新ルールが 盛り込まれる可能性がほとんどないことだけは明らかになった述べた。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:10/9)
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