1995-04-12 ArtNo.1232
◆シンガポール政府、<比>大統領委員会報告書に反論
【シンガポール】シンガポール政府は11日、26項目の論拠を掲げ、ラモス大統領により設置されたフィリピン人メイド(フロア・コンテンプラシオン)処刑事件調査委員会の報告書に反論した。
シンガポール政府はその声明の中で、フロアが刑務所で強姦されたと主張するフロアの姪の証言に関して、シンガポール政府が保管しているフロアと親族の70通の書簡にはそうしたことが全く触れられていないため、関係する4通のフロアの書簡の写しの提供を求める一方、フロアの拘置期間を通じてフロアに接触できた看守は全て女性であったと指摘している。またシンガポールの法律の下では警察当局が逮捕者に対して弁護士を呼ぶ権利を通知する義務はなく、公判審理中フロアはずっと弁護士の援助を得ることができたとして、人権侵害の事実を否定した。更に殺害されたデラの雇用主の向かいの家で雇われていたと称するフィリピン人メードがデラの雇用主の兄弟もしくは従業者がチャンギ刑務所に務めていたとする証言に関して、向かいの家ではメードを雇用したことがなく、またデラの雇用主の兄弟や従業員がチャンギ刑務所に務めていた事実もないとし、この点からも大統領調査委員会における証言の信憑性のほどが窺えるとしている。(ST,BT,LZ:4/12)
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