1997-09-27 ArtNo.12193
◆<馬>今年の経常収支赤字、GDPの6%突破:S&P
【クアラルンプル】マレーシアの今年の経常収支赤字は国内総生産(GDP)の6%を突破、来年は銀行資産の質も悪化する可能性がある。
国際信用格付け会社スターンダード&プーアが25日、発表したところによれば、銀行資産の質を評価する指標とされる民間・公共企業の負債総額は今年はGDPの170%に達する見通しだ。金融部門の不動産市場に対するエクスポージャーは、経済成長を鈍化させる構造的な弱点になっている。
S&Pは、マレーシアの今後の格付けは過剰な需要を抑制する有効な措置が採用させるか否かに、かかっているとし、近く国会に上程される新年度予算案に注目している。しかしながら向こう12ヶ月間に格付けが下方修正されるにしても、小幅なものにとどまる。
S&Pは、またマレーシアの外貨に相変わらず長期的にはA+、短期的にはA-1+の格付けを行っているが、長期見通し関する評価をこれまでの“ステーブル”から“ネガティブ”に改めた。
S&Pはマレーシア通貨(Mドル)にも、長期的にはAA+、短期的にはA-1と格付け、やはり長期見通しをステーブルからネガティブに改めている。
ネガティブな見通しは、急速な信用拡大を抑制することに消極的な当局に対する格付けが下方修正される可能性が高まっているためで、こうした信用の拡大は異常な投資ブームを呼んでいると言う。(ST:9/26)
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