1997-09-25 ArtNo.12161
◆<星>鉄鋼部門の打撃は電子部門の利益で相殺:ナットスチール
【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場の政府系コングロマリット、ナットスチールは、マレーシア通貨(Mドル)の軟化に伴う影響をプラス・マイナス五分五分と見ている。
ナットスチールのアン・コンフア社長によれば、姉妹会社のサザン・スチールBhdはMドル軟化の打撃を被るが、マレーシアの電子部門子会社はコスト低下の恩恵を享受できる。
ナットスチールが25%出資するサザン・スチールは需要減退と輸入原料の値上がりで、コスト上昇分を顧客に転嫁せぬ限り、マージンの下降を免れない。またサザン・スチールの利益は、MドルからSドルに換算する際にも、Sドルの強化で目減りすることになる。しかしサザン・スチールは来年末までに圧延工場の製造能力を年産130万トンに30%拡大するため、生産と販売が順調に拡大すれば、ある程度損失を回復できる。マレーシア国内の鉄鋼需要は、メガプロジェクトの棚上げに関わらず、依然旺盛だ。
ナットスチールはフィリピンの年産40万トンの製鉄事業やベトナムの年産12万トンの鉄鋼事業にも投資しており、同様な影響が予想されると言う。(ST:9/24)
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