1997-09-24 ArtNo.12146
◆<星>シングテル、S$6500万でNCS買収
【シンガポール】シンガポール・テレコム(シングテル)は22日、国家コンピューター局(NCB)傘下のナショナル・コンピューター・システムズ(NCS)を6500万Sドルで買収することでNCBと合意に達したと発表した。
シングテルのリー・シエンヤン社長兼CEOは、この日以上の発表を行うとともに、NCSの買収はシンガポールのテレコミュニケーション事業を長期にわたりリードしてきたシングテルの新たなスタートを象徴するものであると語った。
同氏によると、NCSは、テレコミュニケーションと情報技術(IT)の融合化に、シングテルが対応する上で助けになる。テレコムとITの融合は時代の潮流となっており、シングテルが提供する国際ダイヤル通話(IDD)サービスの30%がデータ通信で占められ、専用リース回線におけるその比率は一層高い。
NCBのリム・スイセイ会長によると、同局が募集したNCS売却入札にはシングテルを含む政府系企業4社が応札、これら4社は、いずれも、NCSをアジアのIT多国籍企業に育成する目標を含む入札条件を満たしたが、結局最高価格をオファーしたシングテルがNCSを射止めたと言う。
リー・シエンヤン社長は、少なくとも年率25~30%のNCSの営業額の伸びを維持する考えを明らかにしたが、NCSを証取に上場させる計画については、それは優先事項ではないとコメントした。当面は公共サービス・コンピューター化計画(CSCP)関連プロジェクトをこれまで通り進めることが優先されると言う。
アナリストらはNCS買収がシングテルの長期的な事業計画にプラスになるとの見方に同意したものの、当面シングテルのボトムラインにさしたる貢献はしないものと見ている。証券会社のアナリストは、昨年のNCSの営業額1億4000万Sドルの内、純益は10%を超えないものと見られ、この点からも投資家を興奮させるような材料ではないと指摘した。しかしながらシンガポール・ワン等のIT市場開拓やミレニアム・バッグ克服等の面で活躍するするはずと言う。(ST,BT,LZ:9/23)
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