1997-09-20 ArtNo.12100
◆<星>NEC、半導体ビジネスにS$3億投資
【シンガポール】NECは向こう4年間に3億Sドルを投じてシンガポールにおける半導体チップの製造業務を拡張する。
NECの佐々木元専務が18日アンモーキオ・インダストリアル・パークⅡで催された総工費5000万Sドルの工場起工式の席上語ったところによれば、工事は来年末に完成、1999年には128MB(メガビット)チップ、2000年には256MBチップの製造が手がけられる。既存工場に隣接して建設される新工場には新たに600人が就業する。
NECセミコンダクター・シンガポール(NECSS)の昨年の営業額は14億Sドルだったが、98年3月期の営業額は上半期のスロー・スタートが祟って横這いにとどまり、99年3月期も10~15%の成長が見込めるに過ぎない。しかし新工場が新世代のDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・マモリ)チップの製造を開始する2000年には生産量は2.5倍以上に、営業額も2倍に拡大する。
現在同社はシンガポールで月間1000万ユニットのチップを製造しているが、2000年には2600万ユニットに拡大、半分がメモリ・チップ、残りの半分は専用集積回路(ASIC)及び大規模集積回路(LSI)で占められる見通しだ。
メモリ・チップに関しては64MB以上のDRAMが製造され、16MBメモリ・チップの製造業務は来年3月以降マレーシア、英国、アイルランドに移転される。同社はアジアではシンガポール以外にマレーシア、インドネシア、中国に工場を有し、来年3月までにマレーシアと中国に30億円、インドネシアに10億円を投資する。
NECのシンガポール工場の製品の60%は米国に、20%はアジアに、残りの各10%は日本と欧州に輸出されている。アジアは日本を追い越し、米国に次ぐ世界第2の半導体市場に成長しており、2000年の市場規模は596億米ドル、世界市場全体の24.3%を占める見通しだ。(ST,LZ,BT:9/19)
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