1997-09-12 ArtNo.11997
◆<馬>経常赤字削減でプトラジャヤ含む民営化計画に見直し
【クアラルンプル】アンワル副首相兼蔵相は10日催された金融業界代表との会合の席上、経常収支赤字を削減するため、新行政都市プトラジャヤ・プロジェクトを含む民営化計画に大幅な見直しを加える方針を明らかにした。
それによるとマレーシア国軍を含む政府機関の大型輸入品目に見直しを加え、必要ならキャンセルする。見直しが加えられるメガプロジェクトのリストに、新行政都市プトラジャヤ及び半島マレーシアの3つの高原リゾートをリンクするハイウェーを追加する。プトラジャヤは当面第1期工事のみを実行、それ以降のフェーズは時間をかけて進める。政府はまたこの日の閣議でバクン・ダム工事の延期を確認した。バクン・ダムに替わる電力供給源が今後検討される。
こうした措置により経常赤字の国内総生産(GDP)に対する比率を現在の5.2%から今年末までに5%、来年までに4%に引き下げる。
アンワル副首相は、来年の経済成長率も合理的水準を維持できるとの見通しを示したが、8%を割り込む可能性に関してはコメントを避けた。
経常収支の赤字は、主に海運や保険等、サービス部門の引き続く赤字に起因しているが、6月の28億Mドルの貿易赤字は主に40億Mドルの航空機の輸入によるもので、サービス収支の赤字解消は時間をかけて進める必要がある。短期的措置としては民営化プロジェクトに関わる全ての決定が12月まで見送られ、長期的成長に欠かせぬ、輸入コンテンツも合理的なもののみが実行される。
また総理府を初めとする全ての省庁に2%の支出削減が指示された。政府部門の輸入には厳格な審査が加えられ、贅沢品や高価な品目の輸入はキャンセルされる。これまで公用車にはベンツが好まれたが、全ての政府部門幹部にプロトン車が支給され、民間部門にも政府を身倣うよう求められる。(NST,ST,BT,LZ:9/11)
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