1997-09-09 ArtNo.11953
◆<馬>副首相、今年も8%以上の成長公約
【クアラルンプル】アンワル副首相兼蔵相は7日、通貨危機や証券市場の暴落に関わらずマレーシア経済は今年も当初の予想通り8%以上の成長を遂げ、インフレ率は3.6%のレベルを維持、財政黒字も望めるとの見通しを示した。
与党統一マレー国民組織(UMNO)の年次大会の席上、同相が語ったところによると、国家準備金も618億Mドルに達する見通しだが、より重要なことは国民の貯蓄率が世界的にも最高水準の39%に達したことで、先月アンワル副首相と会見した国際通貨基金(IMF)の幹部もマレーシア政府の経済運営を高く評価した。
1996年の経常収支赤字は国内総生産(GDP)の5.2%に達し、懸念すべき状況に有るが、200億Mドルの新首都空港の建設等、大型インフラ事業を進めるマレーシアには経常収支の赤字は免れない。同相はIMF代表にもこの点を説明するとともに、経常収支の縮小に務める政府の姿勢を確認したと言う。
一方、マハティール首相は、この日のUMNO代表に対するスピーチの中で、意見の不一致が噂されているにも関わらず、アンワル副首相を後継者にする方針に変わりのないことを強調した。首相は時機が来れば、UMNOの指揮棒を無傷のまま後継者に手渡すことができると指摘するとともに、「自分は総裁派と副総裁派にUMNOが分裂することは望まない。そのような状況が生じれば、副総裁は党の2分の1しか継承することができないだろう」と付言した。
またアンワル副首相は、女性問題を巡るいわゆるポイズン・ペン・レターの攻撃を受けている問題に触れ、自分がこうした攻撃により辞職することはないと強調、“Don't Worry, I am with you.”と支持を表明してくれた首相や妻の信頼に感謝すると語った。(ST,BT,LZ:9/8)
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