1997-08-25 ArtNo.11755
◆<馬>ペトロナス、海運会社MISCの29%権益買収
【クアラルンプル】国営石油会社ペトロナスは23日、マレーシアのナショナル・キャリアー、マレーシアン・インターナショナル・シッピング・コーポレーション(MISC)の29.3%の権益を買収したと発表、アナリストらを驚かせた。
マハティール首相の長男ミズラン・マハティール氏に率いられる海運会社コンソーシアム・プルカパランBhd(KPB)も同じ権益の買収を目指して活発な工作を展開していたが、国営石油会社に出し抜かれた形になった。某外国証券会社のアナリストは「こうした事態の展開は予想外のことで、まだこのことが何を意味するのかつかめないが、ペトロナスとKPBの合弁や合併の前奏と言った可能性も考えられる」と語った。
ペトロナスはその声明の中でKPBがMISCの権益取得を図っていた事実を認め、「ペトロナスとしては、相互利益のために、またマレーシアの洋上/陸上輸送の改善のためにMISCにKPBとの協力を提案する」としている。
KPBのルー・フイキート副会長は先々週、同社がMISCの29.35%の権益を公務員年金基金クンプラン・ワン・アマナ・プンチェン(KWAC)から買収する計画を明らかにするとともに、ペトロナスの意向も打診したが、ペトロナスはMISC権益には興味を示さなかったと語っていた。ルー副会長は、KPBとKWACの交渉の中心は価格で、その額は20億Mドル以上にのぼるとも語っていた。ペトロナスは買収価格を明らかにしていない。KWACは同権益を中央銀行から1株10.50Mドルで買い取ったと言われるが、先週金曜の終値は6.90Mドルだった。(IE:8/24)
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