1995-04-08 ArtNo.1173
◆<星>経済成長、今年は9%、来年は8.5%:アジア開発銀行
【シンガポール】米国経済の成長鈍化やSドル高が輸出の伸びにブレーキをかけ、シンガポールの経済成長は今年9%、来年は8.5%に減速する見通しだ。
アジア開発銀行の“95/96年アジア開発の展望”と題する報告書によると、予想外のインフレ高進が生じない限りSドルが一段と強化する可能性が高い。同行は今年と来年のシンガポールのインフレ率をそれぞれ3.2%及び3%と予想している。今年は世界的に金利の上昇が生じる可能性が有り、これに伴ってシンガポールの金利も再調整される可能性が有る。このことは資本市場の活動を鈍化させ、金融サービスの収益も低下させるものと見られる。しかし中央積立基金(CPF)の投資規制緩和等を通じたファンド・マネージメントの振興措置は多少に関わらず金融サービスに対する刺激効果を発揮するものと見られ、同部門の成長率は今年と来年も8.5%の水準を維持する見通しだ。 市場の電子製品に対する需要が高いため、製造業は今年も高度成長を遂げるものと見られる。しかしながらシンガポールが振興する新製造業領域、例えば化学/製薬等の経済成長全体に対する貢献は依然として低いレベルにとどまりそうだ。 政府/民間部門の投資は今年も高水準を維持するものと見られ、製造業界の設備投資が今年の民間投資の牽引役を果たしそうだ。今年の資本支出の伸びは10%に達する見通しと言う。(ST,LZ:4/7)
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