1997-08-19 ArtNo.11686
◆<印度>プジョー、フィアットへの塗装サービス停止
【ムンバイ】地元プレミア・オートモービルズLtd(PAL)とオートモービルズ・プジョーの合弁会社PALプジョーは、PALが組立を引き受けているフィアットUnoに対する塗装サービスを停止した。
PALプジョーがムンバイ北東のKalyanに設けた工場でUnoに塗装サービスを提供することは昨年合意され、Kalyan工場は昨年11月以来1日20台のUnoに塗装を施してきた。サービス料は1台当たり2万ルピーで、1日平均40万ルピーになる。
プジョーは表向きは塗装料の滞納を、サービス停止の理由にしているが、その目的はPALの退路を断つことで、譬え一部の支払いがなされても、サービス再開には応じないものと見られている。PALとプジョーの関係は、前者がPALプジョーからの撤退を決めたことから悪化の一途を辿っている。プジョーはPALの31.7%の持ち分の半分を1株42ルピーで買い取ることを認めたが、PALは1株84ルピーで全てを買い取るよう求めている。
またPALはKalyan工場の損失が急速に拡大する中で、プジョーが当該合弁事業に新たな資金を注入するのを阻止しようとしている。加えて政府のCKD(完全現地組立)キット輸入許可が得られぬためプジョー309のキット在庫は間もなく底をつく見通しで、事業の維持は益々困難になっている。
プジョーはUnoに対する塗装サービスの停止と同時に、PALとフィアットの合弁が、PALプジョーの合弁契約の競合条項に違反するとの訴えを起こす構えだ。
フィアットはトルコと南アフリカの工場で塗装作業を行い、急場をしのいでいるが、コストと時間の浪費を長期的に続けることはできない。PALが他社、恐らくジェネラル・モーターズ(GM)インディアかマヒンドラ&マヒンドラ(M&M)に塗装を依頼することも考えられるが、もしUnoの市販価格を維持するとすれば、超過コストはPALが負担することになりそうだ。しかし、それ以前にGMあるいはM&Mが塗装サービスを引き受けるかどうかも定かでない。(IE:8/18)
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