1997-08-13 ArtNo.11604
◆<馬>政府、バクン・ダム上場計画の延期確認
【クアラルンプル】マレーシア政府は11日、サラワク州における155億Mドルのバクン・ダム事業のオーナー、バクン・ハイドロエレクトリック・カンパニー(BHC)の上場計画が延期されることを確認した。
レオ・モギー エネルギー郵政通信相は、アジア太平洋会議電力事業部会の開幕式を主宰後、「バクン・プロジェクトのプロモーター、Ekran Bhdと主請負業者アセア・ブラウン・ボベリ(ABB)の協議が妥結しないならBHCの公募計画は延期せざるを得ない」と語った。Ekranが32%の権益を握るBHCは今月15億株を1株1Mドルで公開、30億Mドルを調達するはずだった。
EkranとABBはコスト超過を誰が負担するかで対立しており、契約上はBHCが負担することになっているが、BHC会長も兼ねるEkranのティン・ペックキイン会長は、それはBHCにとって不公平であり、同氏が病気療養中に何者かが契約条文を書き換えたと主張していた。これに対してABBはティン氏が90億Mドルもの下請け契約を、入札にもかけずに傘下企業に発注したのでは、コストのコントロールは不可能としている。
レオ・モギー エネルギー通信郵政相は、これ以上の遅延は許容できず、双方は来月中に協議を妥結せねばならないと強調した。同相によると、その実BHCとABBはこれまでに僅か1回しか会議を行っておらず、7月24日の最初の会議後、先週開かれるはずだった2回目の会議は延期された。同省はこうした中で双方に会議の結果を必ず報告するよう指示したと言う。
消息筋によれば、双方の話し合いが決着しなかった場合、政府はBHCの株主構造に再編を加え、政府投資会社カザナ・ナシオナルBhdの持ち分を今日の5%から拡大、政府が直接同プロジェクトを監督する可能性があると言う。
レオ・モギー エネルギー通信郵政相は、「政府は、紛争当事者のいずれか一方に荷担する考えはなく、介入の目的は計画の遅延を最小限にとどめ、2002~2003年の間に完成させることにある」と指摘した。(ST,BT,LZ:8/12)
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