SEAnews 1997-08-12 ArtNo.11585

【シンガポール】シンガポールにおけるスマート・カード・リーダーの据付台数は来年末には今日の1万台から少なくとも10万台に急増する見通しだ。
シンガポールにおけるキャッシュ・カードの独占経営会社ＮＥＴｓ(ﾈｯﾄﾜｰｸ･ﾌｫｰ･ｴﾚｸﾄﾛﾆｸ･ﾄﾗﾝｽﾌｧｰ)スポ－クスマンによると、来年末までには全島をカバーした高速ネットワーク“シンガポール・ワン”を通じて大部分のシンガポーリアンが電子サービスを利用できるようになる。ＮＥＴｓは今年末までにインターネット・キャッシュ・カード支払いサービスを開始するが、この種の支払いには、スマート・カード・リーダーが必要とされる。
シンガポール・ワン試運転期間のスマート・カード・リーダー独占供給業者に指定された地元企業ＡＤＣテクノロジーの創設者ビンセント・リム重役(GM)によると、ユナイテッド・オーバーシーズ・バンク(UOB)と郵便貯金銀行(POSBANK)が業界の先頭を切って間もなくインターネット・バンキング・サービスを開始するが、同サービスでもスマート・カード・リーダーが不可欠だ。
また電子道路通行料徴収(ERP)システムもスマート・カード・リーダーの需要を牽引するもう1つの要因と言える。シンガポールの60万人以上の自動車所有者は今年9月からイン・ビークル・ユニット(IVU)と称するスマート・カード・リーダーを組み込んだ装置を自動車に据付けるよう求められる。
ＡＤＣは来年はパソコン(PC)に据え付けることができるスマート・カード・リーダーを市場に投入する計画で、多くの政府部門が既に同新製品に関心を寄せている。ちなみにスマート・カード・リーダーの1台当たり価格は数年前の300Ｓドルから40Ｓに下降している。米国、欧州市場へのスマート・カード・リーダーの輸出を開始した同社は、マレーシアのマルチメディア・スーパー・コリドーへの売り込みを目指していると言う。(BT:8/11)