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1997-08-06 ArtNo.11528
◆<星>船井電機との不和がアムコル財政破綻の遠因?
【シンガポール】Amcol Holdingsのキー・パートナーを務めた船井電機がヘンリ・プリバディ氏に率いられる新株主との協力を望まなかったことが、アムコルの財政破綻の遠因になったようだ。
大蔵省商事調査局(CAD)が、4日開かれたシンガポールとしては建国以来2度目のインサイダー取引裁判の席上明らかにしたところによれば、アムコルのン・チーキョン/タン・シウシン両元取締役は、アムコルと主要サプライヤーの船井電機の険悪な関係に気づき、前者は1996年4月23日にアムコルの2万7000株を1株3.82Sドルで、後者は1996年5月15日にアムコル株30ロットを1株3.84Sドルで売却した。
アムコルに対する詐欺共謀の罪で目下服役中(18カ月)のン氏は、プリバディ氏がアムコルの経営権を掌握した後、1995年8月にアムコル取締役に就任した。また元法務省上級職員のタン氏は1993年にアムコル取締役を引き受けており、仮にインサイダー取引の事実が立証されれば、両被告には、最大5万Sドルの罰金もしくは最大7年の懲役、あるいは両方の刑が科される。
アムコルの子会社及び合弁会社サンケイにより流通が手がけられていた船井電機製品の1994年6月~1995年5月の間の総額は2400万Sドルに達した。船井電機は同額の引き下げに応じず、船井シンガポールに対するアムコルの45%の持ち分を1000万~1500万Sドルで買収することも拒絶、アムコルの当初投資額225万Sドルなら買い取りに応じる考えを示した。船井はまた月間1億Sドルの販売が保証されない限り、ディストリビューションシップの延長も認めない立場を固持したとされる。
ロイド・チャン当時重役(MD待遇)は1996年3月26日の取締役会の席上、アムコルのキャッシュ・フローは6130万Sドルで、新資金が注入されない限り同年8月乃至9月には資金難に陥ると報告していた。
TTドゥライ元取締役も公判廷で、船井シンガポールの財政は混乱を極めていたため、アムコルが投資家にその事実を釈明することは困難だったと証言した。 一方証券会社SBCI&アソーシエーツのハン・テンクワン重役(MD)は、ヘンリ・プリバディ/スカムト・シア両氏がアムコルの支配権益買収競争を展開している最中に、アムコルの抱える問題が明るみに出たなら、アムコルの株価に影響しただろうと証言した。(ST,BT:8/5)
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