SEAnews 1997-08-04 ArtNo.11498

【シンガポール】今年第2四半期の住宅価格は第1四半期に比べ0.8％の下降にとどまり、昨年第3四半期の－2％、同第4四半期の－2.7％、今年第1四半期の－3.7％に比べ、値下がりの速度が鈍化した。
都市再開発局(URA)が1日発表した以上の不動産価格指数に関して、某市場観測筋は、政府が宅地の放出を続ければ市場崩壊を来すと国家開発相に陳情したシンガポール不動産開発業者協会(REDAS)を困惑させる内容と指摘した。カテゴリー別に見ると、土地付き住宅の値下がりは第1四半期の1.3％から0.8％に、コンドミニアムは4.9％から1.1％に、アパートは7.9％から0.5％に、いずれも鈍化している。しかしコリアーズ・ジャーディンのアナリストは、同期に売り出された物件の40％が平方フィート当たり1000Ｓドル以上のハイエンドなものだったことを配慮する必要があるとコメントした。
今年6月末時点の各カテゴリーの新築住宅価格は、昨年同期に比べ、コンドミニアムは9％、アパートは9.8％、テラス・ハウスは11.8％、セミディタッチは5.4％、ディッチは7.4％下降した。不動産コンサルタント、リチャード・エリスの幹部は今年上半期に売り出された新築民間住宅の30％が売約されたに過ぎず、今年3月時点で1万3000ユニットに達した売れ残り住宅は今後益々増加すると予想した。ＩＮＧベアリング証券アナリストによれば、今年は1万1000ユニットの住宅が売り出されるが、成約件数は、6000～6500ユニットにとどまると予想した。
アナリストらはこうしたことから、新築住宅の値下がりがこれでストップすることはなく、今後の値下がり幅に関しては、売り出される物件次第としている。
ＵＲＡの発表によれば、今年第2四半期には第1四半期に比べ、オフィス価格は1.4％、店舗は3.2％それぞれダウン。第1四半期に4.3％値上がりした工業不動産も2.1％の下降を見た。(ST,BT,LZ:8/2)