SEAnews 1997-07-28 ArtNo.11404

【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場の電子契約製造業者ベンチャー・マニュファクチュアリングが25日、低コストなオーディオ・ソフトウェア“NovaStation”を発表したのを受けて、この日同社株が1.70Ｓドル値上がりしたのとは対照的に、最近急騰していたクリエイティブ・テクノロジーの株価が一転して2Ｓドルも値下がりした。
ノーヴァステーションはマイクロソフトのウィンドウズ95とインテルのＭＭＸ技術をベースにクリエイティブ・テクノロジーの最新サウンド・ブラスターＡＷＥ64と同等、もしくはそれ以上の効果を発揮、カードやチップを別に補充する必要もない。ＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)ユーザーは676種類の楽器、21タイプのドラム・キットから128種類の楽器を選び、これらの楽器の音響効果を同時に楽しむことができる。ＡＷＥはこれに対して64種類の楽器の音響効果を同時に楽しめるに過ぎない。
また旧式の16ビット・サウンド・カードのユーザーはノーヴァステーションさえインストールすれば、最早既存のカードをアップグレードしなくても、最先端、最高品質の音響効果を期待できる。
新製品は当面相手先商標製造業者(OEM)市場向けに出荷される。ベンチャーは既にＯＥＭ5社への納入契約を獲得したとしている。一般小売店での販売は2ヶ月後になる見通しで、同社は49米ドル(S$72)を推奨価格としている。
アナリストらは新製品がベンチャーの業績を大幅に改善させるものと見ているが、1997年の売上予想は6000万～2億Ｓドル、利益は800万～1億Ｓドル、マージンは25～50％と区々だ。ケイヒアン・ジェームズ・ケーペルのアナリストは、製品を納入するＯＥＭが誰かが鍵で、コンパックやヒューレット・パッカードなら、莫大な額にのぼるだろうと指摘した。
一方、4月にＡＷＥ64の小売り価格を99米ドルに引き下げ、4000万人の16ビット・サウンド・ブラスター・ユーザーのアップグレード市場開拓に本腰を入れているクリエイティブへの影響に関して某アナリストは、ＡＷＥ64はクリエイティブの最大の成長領域だけに影響は甚大と語ったが、別のアナリストはベンチャーは小売りチャンネルをまだ開拓中で、同市場で圧倒的なクリエイティブのシェアを大幅に浸食することは短期的には望めないと指摘、またＯＥＭ市場に関してもクリエイティブは多くのブランド・エクイティーを有するため、当面の影響はそれほどでないと見る向きも有る。(ST,BT,LZ:7/26)