SEAnews 1997-07-26 ArtNo.11392

【シンガポール】国家コンピューター局(NCB)は24日、中小企業のＹ2Ｋ(2000年以降既存のｺﾝﾋﾟｭｰﾀｰ･ｼｽﾃﾑが年号を認識できなくなることに伴う問題)対策費用の最大50％を補助すると発表した。
また今年末までに新スキームの適応を申請した中小企業には最大70％の費用が補助される。Ｙ2Ｋプロブレムの起源は1960年代に、当時のプログラマーが貴重な記憶スペースを節約するため、例えば1997年を“97”と短縮して処理したことに伴うもの。コンピューターは“00”を2000年とは認識できないため、西暦2000年以降、既存のコンピューター・システムでは年号の処理ができなくなる。事の重大性に気づいたコンピューター会社やコンサルタント会社、さらには各国政府もここに来てスクランブルを行っているが、今のところ抜本的解決策は見つかっていない。
現在中小企業は、一般にワードプロセッサーやスプレッド・シート等、比較的単純な作業にコンピューターを利用しているが、僅か2桁の数字の記憶スペースを惜しんだことに伴う影響がこうした中小企業にまで波及するのか、また波及するとすれば、どの程度の影響が生じるのかについて、ＮＣＢ幹部は、バンク・カードによる現金の引き出しはできなくなり、自動車も発進しないだろうと指摘した。それによるとメインフレ－ムからパーソナル・コンピューターに至るまで機能を停止するため、航空管制システム、ミサイルの制御システム、製造設備、医療施設等も操作不能に陥ると言う。
対策は、各社ごとにコンピューター・システムをチェックし、その調整に必要な労働時間とコストを算出することだが、コストは恐らく想像以上のものになるはずと言う。(ST,BT,LZ:7/25)