SEAnews 1997-07-12 ArtNo.11212

【シンガポール】多角化路線を歩む政府系上場製鉄会社ナットスチールの電子部門、ナットスチール・エレクトロニクス(NEL)は、アップル・コンピューターのシンガポールにおけるプリント基板アセンブリー(PCBA)製造施設を買収した。
ＮＥＬが10日発表したところによれば、月曜に発効した同取引の下、同社はアップル・コンピューターの域内におけるマザーボードの製造を引き受ける。
取引の額は明らかにされなかったが、マザーボード製造ラインを新たに設けるコストは1ライン当たり約150万ドルで、旧アップル工場は10～12ラインを擁する。今回の取引はＮＥＬのこの方面の拡張コストの大幅な節約につながったと言う。
各ラインは1日800ユニットのマザーボードを製造でき、これによりＮＥＬのＰＣＢ製造能力は15～20％拡大する。マザーボードはアップルのアンモーキオ工場に納入される他、他のＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)メーカーにも供給される。
アップルは先月シンガポールのＰＣＢＡ工場を閉鎖し、フルタイム250人とパートタイム(人数不明)を解雇すると発表していた。ＮＥＬはアップルのＰＣＢＡプラントの買収に伴い、最大400人を新規雇用する計画で、既にアップルの前職員約85人と雇用契約を結んでいる。今後さらに多くのアップル前職員が同社と雇用契約を結ぶ見通しと言う。ＮＥＬは東南アジア、中国、米国、メキシコに8工場を有し、5000人を雇用している。昨年の営業額は11億2000万Ｓドル、税引き前利益は前年の2倍以上の4430万Ｓドルで、今年下半期にもシンガポール証取(SES)に上場する計画だ。(ST,BT,LZ:7/1`1)