1997-07-09 ArtNo.11165
◆<星>5月の製造業生産再び1.6%のマイナス成長に
【シンガポール】シンガポールの製造業生産は4月に5ヶ月にわたるマイナス成長を脱して1.4%のプラス成長を回復したのもつかの間、電子部門の不振から5月には再び1.6%のマイナス成長に後退した。この結果年初5ヶ月の製造業生産は昨年同期比3.3%下降した。
シンガポールの製造業生産全体の46%、国産非石油製品輸出の3分の2、そして国内総生産(GDP)の12%を占める電子部門の生産は5月には0.1%ダウン、年初5ヶ月の成長率はマイナス5.2%となった。半導体、消費用電子製品、プリント基盤(PCB)、コンピューター周辺機器の生産は、需要減退と価格軟化で低下した。しかしディスク・ドライブと通信機器の生産はプラス成長を遂げた。
電子部門の不振は金属加工、ゴム/プラスチック製品部門にも波及、前者は14.7%、後者は7.2%の大幅な落ち込みを見た。両部門は多国籍企業や地元企業の製造業務の海外移転の打撃も受けており、年初5ヶ月の生産水準は各10.2%と14.6%下降した。この他、機械、運輸機器の5月の生産水準も5.2%と0.4%の落ち込みを見た。
化学工業は全体で3.8%、特に石油化学は33.6%の急成長を記録、印刷/出版、電機/電器も8.3%と3.2%のプラス成長を記録したものの、製造部門全体の衰勢を挽回するには至らなかった。
これ以前には、4月に5.9%のプラス成長回復した国産非石油製品輸出が、5月には1.1%のマイナス成長に後退したことが発表されており、7月21日に発表される予定の6月の貿易統計により、シンガポールの電子産業及び製造業の今後の趨勢が有る程度明らかになるものと見られる。(ST,BT,LZ:7/8)
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