1997-07-08 ArtNo.11150
◆<星>英企業ATML、ATMカード製造拠点を米国から移転
【シンガポール】英国に本拠を置くアドバンースト・テレコミュニケーションズ・モジュールズLtd(ATML)は、シンガポールが国家的事業として進める全国広帯域ネットワーク“シンガポール・ワン”に魅せられ、ATM(非同期転送モード)カードの製造拠点を米国からシンガポールに移転する方針を決めた。
ATMカードはシンガポール・ワンが採用する2種類の技術の1つのADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)には欠かせぬツールとされる。ADSLは従来の銅製電話ケーブルで一般のモデムの100~150倍に相当する最大6MB(メガビット)の転送速度を実現する。シンガポール・テレコム(シングテル)は目下ATMLのATMカードを用いて、1000回線のADSL試運転を行っており、来年末までには少なくとも8万人の顧客獲得を目指している。ADSLモデムとATMカードのコストは1000Sドル前後だが、政府の補助も得て、シングテルは当初2500人のユーザーに限り354Sドルで同パッケージを提供している。ちなみにシングテルは登録料30Sドルと月間契約料25Sドルの他に、毎分5セントのアクセス料も徴収している。
ATMLのスタンレー・ウィ副社長(アジア太平洋地域セールス担当)によると、同社は来年からシンガポールでより低廉でより高性能な製品の開発と製造を手がけ、モデム機能も備えたATMカードを市場に投入する計画だ。これにより同カードをコンピューターにセットさえすれば、通常の電話で誰でも高速通信ができるようになる。また価格も現在の350米ドルから175米ドルまで引き下げられると言う。1993年に創設されたATMLの1996年3月期営業額は1000万米ドル。(BT:7/7)
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