1997-07-05 ArtNo.11134
◆<印度>スチール・メーカー、黒鉛電極ダンピング税で打撃
【ムンバイ】国内の弧光式電炉(EAF)会社は、国産黒鉛電極が割高な上、輸入品には反ダンピング税が課されたことから、対応に苦慮している。
国内黒鉛電極メーカーはその陳情書の中で海外からのダンピングで1993/94年度に12%、95/96年度に43%の国内シェアを侵食されたとしている。ダンピング調査期間のインドにおける黒鉛電極の輸入価格はトン当たり、2005米ドルと、第3国における2900米ドルを下回った。少なからぬEAFが操業を停止したことから、国内の黒鉛電極需要は現在5300メートル・トン(MT)にとどまっており、これに対して国内3社の黒鉛電極製造能力は4万9400MTに及ぶ。また輸入量は2280MTで、内Essar Steelが輸入する28口径以上の製品1000~1280MTは、国内では製造されていないため、反ダンピング税の対象に含まれていない。したがって輸入品は国内需要の25%を占めるに過ぎず、同輸入量は国内生産量の4%にとどまっている。
電炉会社は、黒鉛電極メーカーのシェア縮小は、実際にはメーカー自身が輸出にその重心をシフトしたためで、これらの業者は高水準な国内価格を盾に海外その製品をダンピングしていると指摘する。この点についてはドイツの黒鉛電極メーカーからも指摘されていると言う。(ET:7/4)
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