1997-06-30 ArtNo.11047
◆<星>メトロ、11倍の増益報告、小売業復調の兆し?
【シンガポール】地場小売りグループのメトロー・ホールディングズは97年3月期に前年の110万Sドルのほぼ11倍にのぼる1190万Sドルの純益を報告、アナリストらを驚かせた。
エスティメート・ディレクトリーに掲載されたアナリストらの平均予測値は750万Sドルだった。小売り部門は、前年度の530万Sドルの損失から230万Sドルの税引き前利益を回復した。小売り業績改善の理由としては、赤字店舗のクローズ、新設メトロ・タンピニース・ストアの貢献、品揃え/経営効率の改善が指摘されている。
ギーアン・シティーの27%の権益を握る同社不動産部門の税引き前利益はオフィス賃貸料の引き上げ等で13.7%増の2710万Sドル、またグループ営業額は10.9%増の2億4830万Sドルだった。
海外事業の税引き前利益は、ASEANが60.4%増の2890万Sドル、香港/中国は依然75万3000Sドルの赤字だが、前年の赤字77万8000Sドルを僅かに下回った。オーストラリア事業は前年の3000Sドルの黒字から2万7000Sドルの赤字に後退した。
上半期に前年同期の120万Sドルの赤字から250万Sドルの利益を回復した同社は、下半期には前年同期の230万Sドルから930万Sドルに利益を急増させた。
また一部引当金の解除等で250万Sドルの特別利益も計上された。特別項目を含めると、前年の2370万Sドルの損失から1440万Sドルの利益が実現された。
今年度の業績に関してはギーアン・シティーの小売りスペース追加に伴う増収、中国不動産事業収入の還流、ペナンのアパート収入等が見込まれ、今年度第4四半期には初のクルーズ・ビジネスもスタートする。しかし小売業務の一層の改善は有っても、僅かにとどまる見通しと言う。(STR,BT,LZ:6/28)
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