SEAnews 1997-06-26 ArtNo.11019

【シンガポール】昨年シンガポールを訪れたツーリストは一昨年の714万人から729万人に増加したものの、これらの旅行者の支出は52億2000万Ｓドルと、前年を4.8％、2億6100万Ｓドル下回った。
観光局(STPB)が24日発表した1996年度外人旅行者調査報告書によれば、旅行者支出の減少はほとんど全ての業界に影響を及ぼし、特にホテル、小売り、飲食業界に深刻な打撃を与えた。旅行者支出の減少は主に宿泊日数の短縮に伴うもので、1人当たりの1日の支出は220Ｓドルと、ほとんど変化がなかった。宿泊日数は過去6年間下降の一途を辿っており、昨年は3.3日にとどまった。
ホテル／サービス・アパートの客室収入は10億6000万Ｓドルと、前年比8％ダウン。客室1700室が追加されたことやインフレ要因等も考慮すれば、その影響は一層深刻だ。
小売り業界のツーリスト売上げは29億8000万Ｓドルと、前年を2.2％、6830万Ｓドル下回った。しかし同業界はＫマート、タングリン・ジェネラル・ストア、レーン・クロフォード、ギャラリー・ラファイエ等の店仕舞いで、再編が進んでいる。地域別ではＡＳＥＡＮ諸国の旅行者の買い物支出が11億7000万Ｓドルと11.3％ダウン、日本人旅行者のそれも6.86％減の4億6680万Ｓドルにとどまった。
セントサ、ナイトサファリ、チャイナタウン等の観光支出は27.3％減の3000万Ｓドル。医療／歯科治療支出さえも13.8％の下降を見た。しかし前年には同カテゴリーは61％の急増を見ていた。
唯一の例外は劇場／映画館／ナイトスポット／その他の娯楽・レクレーション・センターにおける支出で、同カテゴリーは38.1％増の2360万Ｓドルを記録した。(BT,ST,LZ:6/25)