1997-06-24 ArtNo.10986
◆<星>DSAP、インテルの倍以上強力で格安なPCを提供
【シンガポール】新設の地場企業デスクステーション・アジア・パシフィック(DSAP)は来年末までに同価格のインテルPC(パソコン)より少なくとも2倍以上強力なアルファー・マイクロプロセッサーを搭載したPCを市場に投入、インテルの市場支配に挑戦する。
元コンパック・コンピューターの副社長を務めたリム・スンホック氏と、やはりコンパック・アジア・パシフィックの財務担当重役(CFO)を務めた経歴を有するバーナード・ヨー氏が昨年10月に共同で設立たDSAPは、既に米国拠点のデスクステーション・テクノロジー・インク(DSTN)製アルファー・システムの流通を手がけており、インド、オーストラリア、日本をカバーする域内に2ダース余りの再販業者チャンネルを有する。
DSAPは先月、シンガポール証取(SES)上場の契約製造業者Tri-MテクノロジーズにDSAPの仕様に基づく、マザーボードとシステムの製造を依頼、3カ月後には量産が開始される見通しだ。
DSAPにかける夢を実現するため、このほどイージーコール・インターナショナルの会長兼CEOを退いたリム氏によると、同氏が顧問兼取締役を務めるDSTIは米国ではハイエンド・システムのデザイン会社として知られ、DSAPは、ハードウェアー・デザインの開発面で前者を支援する。しかし、DSAPは低価格製品の量産をより重視する。
ウィンドウズNTオペレーティング・システムが普及し、インターラクティブなマルチメディア・アプリケーションの需要が高まる中で、世界最高速を誇るアルファー・チップの時代が到来しているが、ディジタルや米国の複数の独立系メーカーによって生産されたシステムは、まだ少量にとどまっている。ディジタルはアルファー・チップのデザインと製造面で、サムソンと三菱の支援を得ており、量産により低価格システムを市場に投入、インテルPCに対抗する条件は整っている。
現在のデスクステーションの価格は従来のワークステーションの3分の1から2分の1に低下しているが、DSAPは来年末までに2000Sドル以下のシステムを市場に投入する計画だ。しかも同社の製品は、同レベルの価格のインテルPCを少なくとも2倍以上上回る強力なものになる。また5年内にアジア太平洋地域で2億5000万米ドルの年商を達成する計画と言う。(BT:6/23)
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