1997-06-23 ArtNo.10970
◆<星>5月の国産非石油製品輸出、1%下降
【シンガポール】シンガポールの国産非石油製品輸出は5月に再び1%のマイナス成長を記録、4月の5.9%のプラス成長で、5月には一層の成長を予想していたアナリストらの期待を裏切った。
国産非石油製品輸出は輸出指向型シンガポール経済の健康度を示すバロメーターとされるが、国際的電子不況の影響で国内経済が過去12カ月間にわたり低迷する中で、貿易統計も不安定な動きを見せている。ちなみに電子産業はシンガポールの国産非石油製品輸出の3分の2、国内総生産(GDP)の12%を占める。
貿易開発局(TDB)の発表によれば、プリント基板(PCB)や消費用電子部品の輸出減退が、5月の国産非石油製品輸出の足を引っ張った。特に米国と日本に対する国産非石油製品輸出はそれぞれ1.6%と27.6%の後退を見た。5月にはディスク・ドライブやその他のコンピューター周辺機器の輸出が2.4%のプラス成長を見たものの、4月の7.3%の増加率を下回り、額も23億Sドルと、4月の24億Sドルから縮小した。
とは言え半導体を含む電子管輸出は13億Sドルと、12.1%の力強い成長を見、欧州向けとマレーシア向け国産非石油製品輸出は各7.7%と10.8%の成長を記録した。 TDBのチャン・カムファイ貿易政策担当部長は、「5月の数字だけを孤立的に捉えるべきではない。4~6月の3カ月平均で見れば、国産非石油製品輸出は2.4%のプラス成長を遂げており、第1四半期の4.1%のマイナス成長から回復している」と指摘した。
同氏によれば、航空機等の大型品目を除いた非石油製品の輸入も3月の+0.8%、4月の+4.4%、5月の+4.9%と、上昇基調を見せており、経済回復の兆しが見られる。
J.M.サッスーンのアナリストも電子管の12.1%の成長等を景気復調の兆しとし、通年で7.1%のGDP成長は依然可能と指摘している。
ちなみに国産石油製品輸出は7.9%アップし、国産品輸出全体では0.4%のプラス成長が記録された。中継輸出も9.4%アップ、輸出総額は4%増の154億1000万Sドル、輸入は6.9%増の162億9700万Sドル、往復貿易は5.5%増の317億700万Sドルだった。(ST,BT,LZ:6/21)
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