1997-06-20 ArtNo.10940
◆<星>HDD価格、第2四半期に大幅軟化:マクスター
【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)価格は今年第2四半期には、通常の7%のレベルを上回る下降を見、同業界の市況軟化の趨勢を裏付けた。
韓国現代傘下の米系ディスク・ドライブ・メカー(HDD)、マクスターのJohn Hagerman副社長(戦略/マーケッティング担当)によれば、第2四半期の値下がりはかなり大幅なもので、第1四半期の状況と顕著な対照を見せている。第1四半期には需要の伸びが供給を上回ったが、各社は一部原料の不足から生産を思うように拡大できなかった。
今やレコード・ヘッドの供給不足は緩和したが、サマー・シーズンに向けた季節的な市況後退が今年は予想外に早く訪れた。欧州が夏期休暇を迎える第3四半期には一般に市況が低迷するが、今年は第2四半期が終わらぬ内に退潮が顕在化した。
値下がりの原因には、経済状況の悪化で欧州におけるPC(パソコン)需要が冷却したことが上げられる。HDDの需要の大きな部分がPC販売に依存している。加えて米国におけるPCの普及率が年収5万米ドル以上の世帯の3分の1に達したこと。
しかしマクスターは今のところ第3四半期の生産計画を削減する考えはなく、業界リーダーのシーゲートやクアンタムの動向を注意深く見守っていると言う。
一部のアナリストは既に今年初から、各社が必要以上に生産規模を拡張しており、今年も供給過剰が再燃する恐れがあると警鐘していた。Hagerman氏はこの点に関して「我々はより成熟した経営を標榜しているが、その一方でシェア拡大も望んでいる」と語った。(ST,LZ:6/19)
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