1997-06-12 ArtNo.10842
◆<馬>テレコム、競争過熱の国内市場を脱出し海外雄飛目指す
【クアラルンプル】テレコム・マレーシアBhd(TMB)は、海外、特に南方諸国やASEANにおける合弁や戦略提携を拡大していく。
TMBのモハド・サイド・モハド・アリ重役(CEO)によると、今年8月にはケニア・ポスト・アンド・テレコミュニケーション・コープ、来年はジンバブエ・ポスト・テレコミュニケーション・コープの民営化計画に入札する。またカザフスタン、ウズベキスタン、ボスニアにおける複数の覚書に既に調印した同社は、ロシアにおける合弁事業の機会も探っている。TMBの年次報告書によれば、この他、昨年はスーダン、ベトナム、イランにおける覚書が結ばれている。
「TMBはウガンダを含むアフリカ諸国や世界の他の地域における機会を探っているが、最近のタイ企業2社と結んだ戦略提携は最もエキサイティングなもので、またテレコム・サウス・アフリカの権益買収は好収益が約束されている」とモハド・サイド氏は指摘した。
同氏によるとテレコム・サウス・アフリカの権益を3年後に売却すれば、多額のキャピタル・ゲインが見込め、またサマートとの提携はタイだけでなく、ミャンマー、ラオス、カンボジア市場進出の橋頭堡を提供してくれる。サマートはこれらインドシナ諸国に強力なプレゼンスを築いている。またサマートはマルチメディア、テレコム、エンターテーメント領域における新製品や新サービスの開発でも実績を上げており、こうした新製品の市場を共同で開拓できる。
サマートとの提携は決してTMBのタイにおける最初で最後のものではなく、同社は今後もこの種の提携や合弁の機会を探っていく。
またフィリピンではフィリピン長距離電話会社とミンダナオ島における合弁協議を進めている。
マレーシア国内市場は今後益々競争が過熱する見通しだが、マハティール首相が率先して海外市場の門戸を開く役割を務めてくれるため、国外に活路を見出すのはそれほど困難でない。いずれにしてもTMBは状況を理解し、好収益が約束された国にのみ投資を行う方針と言う。(STAR:6/10)
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