1997-06-10 ArtNo.10808
◆<星>地元企業、AT97“シンガポール・ハブ”に集合
【シンガポール】昨日(6/9)開幕したアジア・テレコム(AT)97の“シンガポール・ハブ”には地場テレコム企業が一堂に会して、その製品を展示、シンガポール・ブランドを誇示したイメージ戦術を展開している。地元テレコム企業がアジア・テレコム・ショーに共同で展示を行うのは今回が初めてのこと。
ワールド・トレード・センターの会場を訪れる者は、ADSL(Asymmetrical Digital Subscriber Line)モデムやケーブル・モデム等の様々なCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)製品のライブショーを目にすることができる。
ADSLモデムの下位製品は200-300Kbps(キロビット毎秒)、上位製品は5-8Mbps(メガビット毎秒)の転送速度を実現、これに対してケーブル・モデムの下位製品は2Mbps、上位製品は10Mbpsの転送を可能にする。これは通常のアナログ・モデムの33.6Kbpsを遥かに上回る。またアルカテル、シーメンス、テレデータ等はシンガポール・ワンのバックボーンにもなっている非同期転送モード(ATM)技術を駆使した各種の広帯域ネットワーク・ソルーションを紹介している。
地元イノメディアのトニー・ウォン氏(マーケッティング担当課長)によると、益々多くのハイブリッド製品が登場、テレコムとIT(情報技術)の境界を見出すのが困難になっている。同社の目玉商品、インフォトークは通常の電話番号をダイヤルした後に“#”キーを押すだけで、インターネット国際電話がかけられるスタンドアロン・セットで、値段も手頃な329米ドル。
アナリストはシンガポール・テレコムのような電話会社は半ば以上の収入を長距離電話の売上げに依存しており、同市場シェアに影響を及ぼすような如何なる技術の登場も歓迎しないだろうと指摘した。この日、AT97の開幕式を主宰したゴー・チョクトン首相は、“シンガポール・ワン”パイロット・ネットワークの御披露目も行った。(ST,BT:6/9)
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