1997-06-09 ArtNo.10792
◆<星>首相、水供給をマラヤ鉄道電化協力の条件に
【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は5日の国会演説においてマラヤ鉄道(KTM)がシンガポール国内に所有する土地の共同開発を取り決めた1990年の政府間協定の枠を乗り越えて、シンガポールがKTMの鉄道電化計画に協力する条件として、長期的な水供給の保証をマレーシア側に求めている事実を明らかにした。
それによると、1990年に結ばれた協定では、KTMが所有するタンジョン・パガル、クランジ、ウッドランズの3カ所の土地を両国が合弁で再開発し、他のKTM所有地はシンガポールに返還されることになっていた。
しかしアパー・ブキティマのKTM所有地が共同開発地に含まれていないことに不満を抱くマハティール首相は、ブキティマ駅とジュロンへの支線を暫時留保し、将来ブキティマ駅を商業開発したい意向をゴー氏に伝え、その後、またシンガポールと中国の昆明を結ぶトランス・アジア・レールウェイ構想下にクアラルンプル/シンガポール間に電化高速列車を走らせることを提案した。
ゴー首相は高速列車構想に賛意を表明するとともに、都市間の国際列車のターミナル駅に相応しい候補地として、ニュートン、サンテク・シティー、マリーナ・センターを提案した。しかしこれらの計画はいずれも、90年に結ばれた政府間協定には含まれていないため、ゴー首相は、両国間の長期水供給を含むより幅広い2国間協力関係の樹立をもって旧協定に取って代わらせること、マレーシア側が長期的な水供給さえ約束すれば、内閣と国会を説得する自信があることをマハティール首相に伝えた。
マハティール首相は、その後の記者会見の席上、シンガポールに対する長期的水供給を保証する用意のあることを表明したと言う。(ST,BT,LZ:6/6)
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