1995-03-31 ArtNo.1077
◆<馬>今年も緊縮通貨政策維持
【クアラルンプル】中央銀行は29日に発表した年次報告書において今年もインフレ抑制に努めるとともに、資金の移動に対しては開放政策を維持するとしている。
完全就業が実現される中で、消費需要の拡大に伴うインフレ圧力を抑制することが主要な課題となり、また通貨供給の過度な成長を抑制するために金利水準も高めに維持される。通貨供給の成長率は最近顕著に減速し、インフレ率も昨年は予想を下回る3.7%にとどまったものの、インフレは消失した訳ではない。また銀行界は不動産、株式等への過剰融資により、資産インフレを醸成せぬよう注意する必要が有る。この種の融資は資産価値を膨張させ、銀行システムの抱えるリスクを拡大する。 昨年初に導入した一連の措置により短期資金の大量流入が抑制され、国内資金市場の安定が回復されたが、今年初のメキシコ危機で再び不安定な局面が生じた。中央銀行は1月に市場に介入してMドル相場の安定を図ったが、同行の市場介入の目的は過度な変動を抑制することで、市場の趨勢そのものを支配することではない。市場の需給バランスに為替レートを委ねるのが同行の基本姿勢という。(NST,MBT,STAR,ST,BT.LZ:3/30)
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