1997-06-05 ArtNo.10750
◆<星>高速モデムは高速に非ず、やはりISDN:シングテル
【シンガポール】シンガポール・テレコム(シングテル)は3日、最新の56kbps(キロビット毎秒)の高速モデムはシンガポールの公衆交換電話ネットワーク(PETN)の環境下では、インターネットへのアクセスに際して毎秒56キロビットの最高転送速度を実現することはできないとし、現状では依然としてISDN(総合サービス・デジタル・ネットワーク)を利用するのが最善との見解を発表した。
シングテルのロバート・タン重役(アクセス・ネットワーク計画担当)によると、56kbpsのモデムをシンガポールで使用した場合の転送速度は、回線と交換機のコンディションにより異なるが、せいぜい40kbps前後で、56kbpsは実現できない。
目下シンガポールのISP(インターネット・サービス・プロバイダー)3社も56kbpsモデムのテストを行っているが、問題は国際標準がまだ確立していないこと。現在売り出されているUSロボティクスの製品とロックウェル・セミコンダクター・システムズ/モトローラ/アセンド・コミュニケーションズ・コンソーシアムの製品には互換性がない。
インターネットへの高速アクセスを必要とする企業はISDNを試してみるべきで、こちらは64kbps乃至128kbpsの転送速度を実現できる。目下のところISDNは一般電話を通じたダイアルアップ・サービスに比べ割高だが、シングテルは先月ISDN料金を一段と引き下げたと言う。
ISPおよびモデム会社と共同で解決策を探る考えはないかとの質問に、シングテルはその方向で努力すると回答した。(BT:6/4)
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