1997-06-03 ArtNo.10719
◆<星>ナショナル・コンピューター・システムズをGLCに売却
【シンガポール】国家コンピューター局(NCB)は、法人化されシンガポール最大の情報技術(IT)企業になった傘下のナショナル・コンピューター・システムを、政府系企業(GLC)に売却する手続きを進めている。
NCBのスティーブン・ヨー局長(CEO)によると、既に大蔵省と通産省がGLC各社の入札書類を審査しており、今月末にはある種の方針が示される見通しだ。NCSは1996年4月に法人化を完了したが、公共サービスのコンピューター化計画を立案するNCBは、その子会社が関係入札に参加することに伴う矛盾を回避するため、当初から1年以内に売却する方針を決めていた。
当初から公共サービス・コンピューター化プログラム(CSCP)の機関車を務めてきたNCSの法人化後1年間の売上げは、1億4000万Sドルで、目標の1億Sドルを大きく上回った。CSCPの1996年度のプロジェクト総額は4億Sドル前後だったが、今後益々多くの政府機関がコンピューター化される中で、同市場規模は急速に拡大する見通しだ。
CSCP事業における経験がNCSの目玉だが、民間部門に売却されれば、全く異なるビジネスを手がける可能性もある。その場合、NCSの支援下にコンピューター化を進めてきた政府機関にも影響が出るため、当初3年間は政府系企業の傘下にとどまる。しかしその後の方向は、オーナーの方針次第で、如何なるビジネスでも手がける。しかし長期的にNCSをシンガポールのIT多国籍企業にするようなオーナーが望まれると言う。(BT:6/2)
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