1997-05-30 ArtNo.10676
◆<星>HDD市場軟化でシーゲートのハイエンド製品に衝撃?
【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)市場の軟化で業界リーダーのシーゲート・テクノロジーはシンガポールにおけるハイエンド製品の生産を削減したもようだ。
シーゲート社の確認はとれていないが、観測筋は5月と6月の生産水準は3月のそれを最大30%下回るものと見ている。サーバーやワークステーションに使用されるハイエンド・ドライブ市場の60%のシェアを握るとされるシーゲートは、ハイエンド製品の量産はシンガポールのアンモーキオ工場で行っている。
アナリストらは、ドライブ・メーカーが最近の警戒すべき兆候を無視すれば、昨年の過剰在庫問題が再現すると見ている。シーゲート以外のドライブ・メーカーも、デスクトップPC(パソコン)の需要が期待を若干した回ったことから、向こう数ヶ月のドライブ生産を5~10%カットする見通しだ。
過剰供給に対する懸念から米国市場では先週HDD銘柄が値を下げたが、デル・コンピューター創設者のマイケル・デル氏は「7カ月に及んだアロケーション(供給不足に伴う割当生産)の後、今やドライブは簡単に手に入るようになった」と語った。
これまではデスクトップ・ドライブが最初に景気後退の直撃を受けており、アナリストらは、小規模生産とハイ・マージンを特徴とするハイエンド・ドライブの過剰生産が懸念されるのは異常と評している。最近は、シーゲートの他、IBM、ウェスタン・デジタル、クアンタム、マイクロポリス等も続々ハイエンド製品の製造を拡張していた。
米国の調査会社トレンド・フォーカスは「現状ではまだ市況が下降に転じたとは言えないが、もしこうした兆候を無視するなら今年末に向けてより深刻な影響が生じるだろう」と警鐘している。(BT:5/29)
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