1997-05-29 ArtNo.10657
◆<星>競争力委員会、長期経済戦略の立案目指し初会合
【シンガポール】シンガポールのこの先10年の競争力を診断し、新たな国際環境に対応した長期的経済戦略の立案を目指す“シンガポール競争力委員会(CSC:Committee on Singapore's Competitiveness)”が27日発足、初会合を開いた。
主に民間業界のリーダー17人から成るCSCは、毎月1回全体会議を催し、来年1月までに報告書を作成、政府に提出する。リー・ヨクスアン通産相兼第2蔵相とジョージ・ヨー情報芸術相兼第2通産相がCSCの正副議長を務める。
ゴー・チョクトン首相は先週金曜に催されたシンガポール国際商業会議所(SICC)の160周年記念晩餐会の席上、CSC設置の理由に触れ、「注目せねばならないのは、決して現在の競争力ではなく、長期的にシンガポールが競争に耐えることができるかと言う点である。CSCはシンガポール経済の実力、弱点、機会、直面する脅威をを分析し、長期的な策略と政策を立案する」と語った。
リー・ヨクスアン通産相は、CSCの初会合の席上、「シンガポールが独立以来初めてリセッションを経験した1985年には、リー・シエンロン当時通産相を長とする経済委員会が組織され、シンガポールが直面する状況に全面的な検討が加えられた。経済委員会は、その後、法人税率/不動産税率/中央積立基金(CPF)納付率のカットを含む一連の対策を講じ、この結果国内経済は1年内に急速に回復した。シンガポールが現在直面する状況は当時と様相を異にしている。今日の国内経済は依然として堅調で、昨年は7%の成長を遂げた。しかしながら域内の競争は日増しに激化しており、こうした新たな環境に対して全面的な検討を加え、新戦略を立案することは時宜に適っている」と指摘した。
CSCメンバーにはエッソ・シンガポールのクワ・チョンセン会長、OUBのピーター・シア頭取、ホンリョンのクウェック・レンベン会長、ウィンタイのチェン・ワイキョン会長、NTUCのリム・スイセイ副書記長が含まれ、これら5氏は、それぞれ製造業部会、銀行/金融サービス部会、ハブ・サービス部会、国内取引部会、マンパワー/生産性部会の議長を務める。(ST,BT,LZ:5/28)
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